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ツヤのないブルーが個性的なナックルヘッド。その各部に表れた無数のサビ、かすれた塗装など、その経年変化が何ともいえない味を醸し出している38年式のELです。単純に考えても74年前に造られたオートバイ。これだけ欠品がまったくない状態であれば、普通ならレストアされてしまいそうなものですが、ほとんどがオリジナルのままを維持しています。 とりわけナックルヘッドのような“超”ヴィンテージ車は、オリジナルであること自体が、尊ばれるようになってきています。'30年代のバイクならではのヤレ具合。もちろんしっかりと走れるコンディションで機関も極上です。 70年以上も前のバイクであれば、放置期間が長ければ再生すら不可能なほどサビが進行してしまうこともありますが、この車両はそれなりに乗り込まれながらも、キレイな状態を保っており、いかに前のオーナーが大切にしていたかが窺えます。 何気ない部品の表情から、自分の愛車がどんな風に年月を重ねてきたのかが想像できる。それもまさしくヴィンテージハーレーの楽しみの一つなのです。
ホイールやヘッドライトのリムには、当時盛んに行われていたというカドミウムプレーティング仕上げが施されています。クロムメッキとはひと味違う独特な質感が特徴ですが、毒性が強いため、現在はほとんど見られなくなった金属処理の技術だそうです。
←各部を見ればサビはあるものの、この車両が70年以上も前に生産されたことを考えれば、コンディションはかなりいいと言えるでしょう。レザーのサドルシートや金属表面の経年変化でさえも“美しい”といえるナックル。まさに極上モノです。